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Winds of Happiness
2025.08.09

【人生いつからでも学び直し】第23回 『人間にとって幸福とは何か』

人生の大学院 
~幸福の科学 大学シリーズ~ (#2)

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┃ 2┃Pの書斎より:武士道精神に学ぶ
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ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ プロフェッサーの金子一之さんのコラムをお届けします。

 「武士道といふは、死ぬ事と見付けたり」とは、『葉隠』の有名な言葉です。しかし、これは単純に「死」を美化した思想ではありません。
『葉隠』の内容は、広く人生を論じたエッセイで、「志を立てて自己開発に励む方法」、「判断と意思決定の具体的指針」、「組織における人間関係の築き方」、「リーダーの心がまえ」など、現代にも通じる人間学であると言えます。分かりやすく言えば、「死を覚悟することで、一日一日が真剣な生き方となる」ということを教えているわけです。『勇気の法』(幸福の科学出版刊)の「勇気とは何かを知りたくば、死を覚悟せよ」という考え方と同じ意味であると思います。

『葉隠』の著者、山本常朝は、仏教を信仰しており、「この世は仮の世である」という自覚のもとに語っていますが、仏教の従来の教えにある「人生は苦である」という理解だけで考えてこの世を軽んじるようになると、「最後は死ねばよい」「早く死ぬことが美しい」などのような皮相的な解釈をしてしまいます。

幸福の科学では、先般、幸福の科学出版より発刊された『天御祖神 武士道を語る』や、『現代の武士道』のなかで、「真の武士道精神」とは何かを明らかにしています。ここには、武士道は三万年前にさかのぼる起源を持ち、世界に通用する普遍性、深い宗教観に基づいた教えであることが説かれています。そして、武士道を体現することは、心を汚さず天上界に還ることができる「魂の本道」を外さないための生き方であり、この地上を素晴らしい桃源郷にするための教えであることが示されています。すなわち、「この世とあの世を貫く幸福」のための武士道であり、この世での魂修行を最大限に前進させる教えなのです。

日本や世界が混迷している今こそ、「武士道」にも思想的な〝錆落とし〟が必要です。従来の武士道を形づくっている儒教的忠孝の精神、日本神道的猪突猛進性、禅宗的悟りの限界などを打ち破る「真実の武士道」によって、正義を打ち立てるときなのではないでしょうか。

著者プロフィール

金子一之(かねこ かずゆき)
 1964年生まれ。武蔵野大学大学院修士課程修了。1990年より幸福の科学に奉職。現在、HSU人間幸福学部プロフェッサーとして、幸福の科学教学、宗教学を担当。著書に、『宗教対立を克服する方法』(幸福の科学出版)などがある。


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┃ 3┃この感動をあなたに~映画編:『国宝』
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 任侠の世界から、一躍、歌舞伎の世界へと雄飛した主人公の、壮絶な人生の先にあった見たこともない美しき世界が描かれる。

 やくざの抗争によって父を亡くした喜久雄(吉沢亮)は、上方歌舞伎の名門の当主、花井半二郎(渡辺謙)によって引き取られる。そこには半二郎の実の息子、俊介(横浜流星)がいた。まるで正反対の血筋を受け継いだ二人は、お互いを意識しながら、芸の世界へとのめり込んでいく。やがて、天賦の才を開花させていく喜久雄だが、芸を磨くことでしか、己を承認できない心の葛藤に苦しみ悶える。そして、芸を極める、日本一の歌舞伎役者になるという心の奥底に潜む、どうしても手に入れたい欲望のために、魂を悪魔に売り渡すのだ。その代償たるやいかに……。

見どころは主役の吉沢亮と横浜流星が、女形として吹き替えなしで歌舞伎役者を演じているところ。しなやかなからだの動き、見栄と睨みの交錯する表情から滲み出てくる魂の叫びが、葛藤や喜び、時として狂気となってめくるめく。歌舞伎の世界における代表的な演目、「藤娘」での清楚な舞いや「京鹿子娘道成寺」で見せる凄まじいほどの女の情念などにも注目だ。

脇を固める役者たちも存在感を放つ。半二郎の妻、大垣幸子(寺島しのぶ)、喜久雄を追って上阪した幼馴染、福田春江(高畑充希)、喜久雄を兄のように慕う彰子(森七菜)、京都の茶屋で出会った藤駒(見上愛)など、梨園を彩る女性たちの出で立ちも華やか。当代一の歌舞伎役者、人間国宝、小野川万菊を演じた田中泯の怪演ぶりも圧巻だ。

数多くの出会いや別れのなかで、運命という歯車は、時とともに巡っていく。そして、演目「鷺娘」として、阿鼻叫喚の地獄の苦しみを演じるなかで、喜久雄は芸道のなかに追い求めていた神秘的な「光」を目にするのだ。

原作は芥川賞作家、吉田修一、監督は「許されざる者」「怒り」の李相日。演じる人たちの切ない心の動きに魅せられ、175分という長丁場を感じさせない秀逸な作品だと言えるだろう。

文責:木藤文人


『国宝』公式サイトはこちらへ
(『国宝』ポスター画像は、https://eiga.com/movie/101370/photo/ より引用)


*** 参考文献 ***

 「日ごろの精進力」、「日々、精進している」ということが大事です。
要するに、他人が見ているか、見ていないかに関係なく、個人的に精進を重ねていることは大きな力なのです。また、そういう人は、悪魔から見ても、何となく嫌なもので、長く接触したくはないタイプのようです。(中略)

要するに、これは、「生活を正す」ということでしょう。生活に乱れがある人の場合は、残念ながら、神仏のご加護をそう強くは受けられないケースが多いと思います。(中略)

例えば、神社仏閣、その他では、みな、できるだけ定型的なかたちで生活をしているものです。つまり、決まったかたちで、ルーティンをきちっとやり、これを崩さないことで霊調(霊的な調子)を維持するわけです。

もちろん、宗教に限らず、歌舞伎役者でも、「“シーズン”が終わるまでの間は、毎日、同じものを食べて出る」という人もいます。「食べ物が変わったら、体調が変わることもある」ということで、そこまでするらしいのです。(中略)やはり、「コンディションの調整ができるような、きちっとした自己規律ができる」というのは非常に大事なことだと思います。

(PP.58-60)

※以上『悪魔からの防衛術』より抜粋

編集者プロフィール

木藤文人(きどうふみと)
 ジャーナリスト、宗教家。
大学を卒業後、大手広告代理店に勤務。フリーとして独立後、「週刊東洋経済」「プレジデント」「経済界」「ザ・リバティ」等の執筆を経て、2007年、幸福の科学出版に入局。『天国に還るための終活』等、編著も多数。


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