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Winds of Happiness
2025.08.01

【時事メルマガ】ウクライナをめぐって

 政治とは、この世の現象として現れてくる具体的な活動ですが、そのもとにあるものは、やはり、何といっても、政治哲学、理念、あるいは基本的なものの考え方や価値観です。そういうものが投影されて、現実の政治的な活動になってくるわけであり、その意味で、政治思想、政治哲学というものは非常に大事です。このバックボーンのところが、どういうものであるかによって、現実に現れてくる活動や行動が大きく変化してくるのです。

※以上『政治の理想について』より抜粋



報道

 海外メディアによれば、トランプ大統領は今年の2月、ウクライナのゼレンスキー大統領を独裁者と呼び、ウクライナ政府の腐敗ぶりを非難した。さらに戦争を始めたのはロシアではなくウクライナだと明言。しかし、トランプ大統領とプーチン大統領との話し合いは難航、最近ではプーチン大統領を今までになく厳しく批判し、ウクライナに対して武器の供与を仄めかした。こうしたトランプ大統領の路線転換が持続しうるものか、重大なものであるかは不明確な状況だと記事は伝えている。「CNN 2025.7.16」



マスメディアを一喝

 兎にも角にも、ウクライナのゼレンスキーは「善」であり、ロシアのプーチンは「悪」であるという一方的なマスコミ報道がまかり通っていたなか、2022年6月、幸福の科学の大川隆法総裁は、主要マスコミの幹部が参加する講演会で、世界中のメディア報道とはまったく異なる見識を示した。この見識について、大川隆法総裁の著作『教育の法』(幸福の科学出版刊)のなかで「日本史や世界史は、暗記することが多くて大変ですが、(中略)日本史や世界史に関する知識が教養のもとなのです。はっきり言えば、だいたい歴史知識が教養です。」と書かれている。



プーチンが語ったウクライナの歴史

 2024年2月、アメリカの保守系ジャーナリスト、タッカー・カールソン氏が、プーチン大統領とのインタビューを公開。およそ2時間にわたるインタビューの冒頭、プーチン大統領はまず「ウクライナ」の何世紀にもわたる歴史を30分にわたって滔々と説明した。これがまさに大川隆法総裁が指摘した「歴史を勉強しているかどうか」である。歴史認識を間違えると、今のロシアとウクライナ紛争の本質は理解できない。ウクライナにNATO(北大西洋条約機構)が門戸を開いたのが2008年のこと。そもそもNATOとはどういう存在であったのか。かつてのソ連を中心とした共産党の集まりだった「ワルシャワ条約機構」には、その衛星国としてルーマニアやポーランドも含まれていた。NATOはこの「ワルシャワ条約機構」に対抗するためにつくられた組織である。その後、ソ連は解体し、衛星国も全部なくなったのにも関わらず、NATOが存続しているのはおかしい、というのがプーチン大統領の考え方である。まさに正論だと言えよう。



ウクライナのクーデターが始まり

 そして、結論を言えば、今回の紛争を誘発したのはウクライナのクーデターだった。とれについてはトランプ大統領も言及している。2014年にクーデターが起こると、ウクライナ政権はクーデターを受け入れない人々を迫害しはじめた。たとえば、クリミアで脅威をつくりだし、ドンバスで民間人に対する航空機や大砲の使用による戦争を始めた。さらに米国CIAがこのクーデターを後押しした。それゆえに、ロシアは迫害された人々を保護下に置く必要があったというわけだ。また、タッカー・カールソン氏のインタビューでは、ウクライナ政権のなかに巣食うナチスの残党についても言及。加えてガスパイプライン「ノルドストリーム」を破壊したのは、アメリカであるとも指摘した。さらに、プーチン大統領はアメリカが、東方不拡大という約束を破ったことにも言及している。1990年、アメリカのベーカー国務長官が当時のゴルバチョフ大統領に「NATO軍の管轄は1インチも東に拡大しない」と発言したことだと思われる。


宗教政治家、プーチン

 最も興味深かったのは、タッカー・カールソンが次のようにプーチン大統領に聞いたくだりで、それは宗教的な質問だった。カールソンはこう切り出した。「キリストは「もう一方の頬を向けよ」、「殺すな」と言っている。しかし、もし誰かを殺さなければならないなら、指導者はどうしてクリスチャンになれるのでしょうか?と。つまり、「自分のなかでどう折り合いをつけるのか」という質問である。

 プーチン大統領の答えは実に明快だった。「自分自身と家族、祖国を守ることはとても簡単である。私たちは誰も攻撃しない。ウクライナでの出来事はどのように始まったのか?クーデターとドンバスでの敵対行為が始まりであった。そして私たちは人々、私たち自身、祖国、そして私たちの未来を守る」と。つまり、攻撃されれば身を護るための防衛戦争はするが、NATO、ヨーロッパを侵略することなど露ほども考えていないということを明かしたのだ。そして、ロシアの文豪ドストエフスキーをロシアの魂を語った人物であるとし、「ロシア人はもっと永遠について考え、もっと道徳的価値について考える」のだとも述べた。 



十字を切ったプーチン

 1944年のノルマンディー上陸作戦の記念式典がフランスのノルマンディーで2014年に開かれた。多くの戦勝国の首脳が参加した式典のハイライトとして、パフォーマンスのときに広島の原爆投下映像が映し出された。その時の様子を日本のテレビ局がとらえた映像は世界に象徴的だった。ガムを噛みながら拍手をしていた当時のオバマ大統領とは対照的に、プーチン大統領は胸で小さく十字を切ったのだ。プーチン大統領の宗教的な指導者としての一面が、垣間見えた瞬間だった。



メディア・リテラシーとは

 メディアからの情報を正しく判断するためには、まず「メディアリテラシー」が大事だという。その情報のなかで正しい情報を読み分け、仕分けして「本当に必要なものは何か」を知る力のことだ。また、「リーガルマインド」という言葉もある。「リーガルマインド」とは、論理的な思考力とバランス感覚であり、物事の正義や公平性という観点から、どのあたりが真ん中にあるのかを見極める力のことだ。「ロシアが悪、プーチンが悪」と決めつけたのは、偏向報道そのものだった。残念なことだが、多くのメディアはタッカー・カールソンのインタビューを半ば無視し、相変わらず偏向報道を続けている。


文責:木藤文人(ジャーナリスト)



今、読み返したい この二冊!

1.『ウクライナ侵攻とプーチン大統領の本心』
/大川隆法(著)

/1,540円(税込)
(2022年3月発刊)


〈本文より抜粋〉

 日本のテレビ局、大手紙ともロシアの侵略だと大々的に非難しており、欧米のマスコミもほぼ同じだ。アメリカのバイデン大統領の金融制裁から始まってG7各国、日本も、様々なロシア制裁を行うだろう。戦争はいやなものだが、その正当性は検討すべきだろう。プーチンの要求は①NATOの東方不拡大を文書で約束せよ。②ポーランドやルーマニアなどにミサイルを配置するな。③NATOの戦力を一九九七年以前の規模に抑えよ。の三点だったが、バイデン・アメリカは拒否した。キエフのゼレンスキー大統領のNATO逃げ込みは、断固プーチン大統領の容認できるものではなかったろう。国際政治を見る眼を持つことは難しい。ただトランプ大統領をアメリカが選んでいたら、ウクライナの戦火はなかったろう。本書にて、国際音痴の日本人と、外国人に、プーチン氏の本心を届ける。別の意見も聞いてみるとよい。

(「まえがき」より)


2.『ウクライナ問題を語る世界の7人のリーダー』
/大川隆法(著)

/1,760円(税込)
(2022年5月発刊)


〈本文より抜粋〉

 ウクライナに「ジョーカー」のようなゼレンスキー大統領が出て来て、世界のテレビ視聴率を担保にして、ウクライナ一国のために、世界戦争に引きずり込みそうである。本書では世界の指導者の本心を集めたので、よく要点を読み取ってほしい。(中略)ウクライナが適切な指導者と国の方針を持っていなかった自己責任で、敗戦する。それが民主主義を名乗る国家のケジメである。ウクライナ人を多数殺しているのは、ゼレンスキーのようなお笑い芸人を大統領に選んだ国民の責任である。指導者にとって、一番難しいのは「撤退戦」である。世界を核戦争に巻き込んでまで、自己保身をはかる者を神は護りはしない。

(「まえがき」より)

企画、構成
編集者プロフィル

木藤文人(きどうふみと)
 ジャーナリスト、宗教家。
大学を卒業後、大手広告代理店に勤務。フリーとして独立後、「週刊東洋経済」「プレジデント」「経済界」「ザ・リバティ」等の執筆を経て、2007年、幸福の科学出版に入局。
天国に還るための終活』等、編著も多数。


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