人生の大学院
~幸福の科学 大学シリーズ~ (#2)
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┃ 2┃Pの書斎より:祈りと自己実現
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ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ プロフェッサーの金子一之さんのコラムをお届けします。

今年5月に劇場公開された幸福の科学の映画「ドラゴン・ハート」には、主人公の田川竜介が霊界探訪のなかで、閻魔大王に祈りの意味を尋ねる場面がありました。閻魔様は、「そんなこともわからないのか。祈りは神に向けてするものだ。他人の幸福のためにするものだ」とアドバイスしていました。これが祈りの意味であるならば、「自分のみの利益を願う祈りは、ほんとうの祈りではない」、「神様や他の人のための祈りであるならば、それは聖なる祈りであり、聖なる祈りこそ真実の祈りである」と言えます。つまり、「祈りと自己実現」について考えるとき、それはどうしても「聖なる自己実現」を目指すものになると思うのです。
祈りは、神仏の前に威儀を正してお願いごとをすることです。つまり、祈る人の姿勢と、そのお願いごとの内容の点検が大切になります。第一に、偉大な神の御前で、小さな自分を自覚し、謙虚になること。第二に、清らな心でお願いすること。第三に、祈りの内容が神の心に叶い、仏法真理に則っているかを考えること。ギブ・アンド・テイクで考えず、結果についてはすべて神にお任せすること(『愛の原点』第3章「祈りの本質」参照)。こうした祈りの姿勢を私なりに要約して考えるならば、神仏の願いを実現するため、他の人の幸福のために生きる「決意」を祈りに託すことだと思います。
※ウェイン・W・ダイアー博士は、聖フランチェスコゆかり地に見学に行ったとき、聖フランチェスコの幻影が現れ、手術予定だった膝が完治してしまうという奇跡を体験しました。それは、体が不自由で動けなくなったツアー客を、自分の膝の不調も省みずに助けたときに起きました。そのとき、「自分のエゴを乗り越えて、見返りを求めない無条件の愛を行動に移すことが、神の求める生き方なのだとはっきりと学んだ」と言います。
私は、こうした天使のような心で「聖なる自己実現」目指す生き方こそ、人間として最も幸福なことであり、そのために、いつも「聖なる祈り」を出発点としたいと考えています。
※ウェイン・W・ダイアー氏はアメリカの著作家。『どう生きるか、自分の人生』や『いいことが次々起こる心の魔法』(ともに渡部昇一訳)など、日本でも数多くの書籍が翻訳出版されている。
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┃ 3┃この感動をあなたに~映画編:『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』
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キング牧師らと並び、英国ロンドンのウェストミンスター寺院の「20世紀の殉教者像10人」に数えられているディートリッヒ・ボンヘッファー牧師。彼は1906年、当時ドイツのブレウラウに生まれました。父親は、ヒトラーが始めた「T4作戦」に反対した著名な精神科医でした。この「T4作戦」は、事実上、ホロコーストのモデルケースとなった策略で、ドイツの精神障害者や身体障害者に対して行われた強制的な安楽死計画です。ボンヘッファーは、ドイツルーテル派の牧師、神学者として名を馳せる一方、ナチスの独裁政権、ユダヤ人への大虐殺、迫害に激しく抵抗します。その結果、ゲシュタポに逮捕され1年半にわたって投獄されました。
彼はもともとエリートとして、ニューヨーク屈指の神学校で学んでいました。ある日、友人の誘いでハーレム地区の黒人教会で、机上の神学とは違う〝生〟の神学と出会い、その人生観を変えます。厳しい人種差別にもかかわらず、信仰を実践するアフリカ系アメリカ人の姿を見て、祖国ドイツでも真の信仰を広めたいと決意するのです。
ところが、ドイツ教会はヒトラーを招き入れ、賛美します。モーセの十戒にナチスとヒトラーへの崇拝を加え、十二戒が記された聖書、新たな聖書のキリストは、ヒトラーだと宣言するナチズム派の牧師、ユダヤ人を平然と迫害する様子を見て見ぬふりをするドイツ国民。ボンヘッファーは、教会を本来の神の許に取り戻すために、スパイとして抵抗運動に身を投じていきます。1944年7月、ヒトラーの暗殺が未遂に終わると、その陰謀に関与していたことを示す文書が発見され、ナチス政権崩壊さなかに絞首刑に処せられました。処刑の4か月前、婚約者や家族に送った「善き力にわれ囲まれ」は、讃美歌(新生賛美歌73番)となって今も歌われています。聖書のなかの十戒「汝、殺すなかれ」。彼はその教えと自己の行動の矛盾に葛藤しつつ、後悔のない選択をしたのでしょう。
文責:木藤文人
『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』 公式サイトはこちらへ
(『ボンヘッファー ヒトラーを暗殺しようとした牧師』ポスター画像は、https://www.hark3.com/bonhoeffer/ より引用)
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