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Winds of Happiness
2026.03.01

【時事メルマガ】ベネズエラ問題

 政治とは、この世の現象として現れてくる具体的な活動ですが、そのもとにあるものは、やはり、何といっても、政治哲学、理念、あるいは基本的なものの考え方や価値観です。そういうものが投影されて、現実の政治的な活動になってくるわけであり、その意味で、政治思想、政治哲学というものは非常に大事です。このバックボーンのところが、どういうものであるかによって、現実に現れてくる活動や行動が大きく変化してくるのです。

※以上『政治の理想について』より抜粋


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 クーデター失敗からの復権
 革命の思想的側面
 政策の失敗と要因
 移転の定理とは
 マドゥロ政権へ
 今、読み返したい この一冊!


報道

 トランプ政権の電撃介入によって拘束されたマドゥロ前大統領だが、2019年以降、国際通貨基金IMFによってベネズエラの特別引き出し権は凍結されてきた。同基金のコザック報道官によれば、ベネズエラの経済状況は極めて脆弱であり、ハイパーインフレと通貨ボリバルの急落が懸念されていると報じた。「REUTERS 2026.2.20」



クーデター失敗からの復権

 ベネズエラという国を語るには、やはり、かつてのチャベス政権に言及する必要がある。

 1992年、陸軍司令部で隊長を務めたチャベス中佐は、当時の政権に対してクーデターを試みるも失敗。逮捕された経歴を持つが、軍籍離脱を条件に赦免され、1998年の大統領選で勝利し、翌年にはチャベス政権が誕生した。その背景には、二大政党制が生んだ腐敗せる政治への国民の不信感があったと言われる。



革命の思想的側面

 政権発足後は、経済的な側面として資本主義の悪習慣や石油依存の廃棄、政治的な側面として、独裁制の解体を掲げた。また、思想的側面としては左派思想が色濃く、キューバや中国などの共産主義国との良好な関係があったという。そして、政府が積極的に市場に介入することで所得格差を是正しようとする「大きな政府」のもとに、北欧型の「福祉国家」を目指した。


政策の失敗と要因

 チャベス大統領がとった政策を簡単に言えば「貧しい人たちの利害を代表して、富裕層が支配する社会を改める」というものだ。海外の諺が示すとおり、「地獄への道は善意で舗装されている」に当たる〝優しすぎる社会〟の実現である。結果として経済危機が深刻化し、2015年から2020年の間にGDPがほぼ半減した。原因として、石油価格の低下と石油資源への過度の依存だとされるが、要は社会主義政策そのものの失敗にしか過ぎない。つまり、社会主義、全体主義が経済と社会の健全な循環機能を破壊したわけだ。

 例えば、政府による価格統制は市場に混乱をきたし、商品不足と闇市を増大させた。また、石油、電力などの基幹産業の国有化は投資の停滞を生む。いわゆるバラマキ政策によって設備投資などが滞った。そして、労働者を護るための解雇規制は、仕事をしなくても解雇されないという労働意欲の低下につながった。



移転の定理とは

 アメリカの経済学者で、かつてのレーガン政権、現在のトランプ政権で4回の大型減税にかかわったラッファー博士は、自著『大きな政府は国を滅ぼす』(幸福の科学出版刊)のなかで、「移転の定理」について次のような趣旨のことを語っている。

 例えば、若い労働者から高齢者層や貧困層へと所得を移転するとしよう。あるグループからお金を奪い、別のグループにはお金を与えるという理論だ。つまり、少しお金を持っている人から奪うことで、その人は働く意欲を減退させ、その人は働かなくなる。一方、お金の少ない人に与えると、受け取った人は働く以外の所得が与えられる(働かずして定額のお金が受け取れる)ことになり、その人もまた働かなくなる。つまり、所得を再分配すれば、必ず全体の生産量が減り、また、総所得が減るという絡繰りだ。日本も行き過ぎた社会主義が蔓延りつつあり、その行きつく先は地獄への道なのかも知れない。



マドゥロ政権へ

 そのチャベス大統領は、病に倒れ、後継者としてマドゥロを指名。しかし、結果として左派が理想とする「福祉国家」政策は崩壊、国民の不満はたまった。ハイパー・インフレ下で生活に困窮する国民、麻薬犯罪の増加やマドゥロ軍事政権による圧政によって、今は国民の4人に1人が移民や難民として国外逃亡を図っている。今回のトランプ政権が取った選択は、ある意味、ベネズエラ国民の解放であり、流入する麻薬の阻止、また、アメリカの喉元にある軍事政権による危機の抑止であった。


文責:木藤文人(ジャーナリスト)



今、読み返したい この一冊!

1.『未来への国家戦略』
―この国に自由と繁栄を
/大川隆法(著)

/1,540 円(税込)
(2010年8月発刊)


〈本文より抜粋〉

 昔は、現在のように、政治制度や経済制度が発達していなかったために、過去の宗教家たちは、政治経済のあるべき姿を十分には説けなかったかもしれません。(中略)さらに、過去の宗教家たちが説いた言葉のなかには、それを悪用すれば、現在の唯物論や無神論につながりかねない教えが一部にはあることも事実です。また、自由主義や資本主義を否定するような考えが散見されることも事実ではあります。

ただ、私は、あなたがたに、明らかに言っておきたいのです。「勤勉に働く人たちが意欲を失うような社会は、神仏の願う社会ではない」ということを——。この地上は、困難に満ち満ちています。しかしながら、そのなかで、智慧と汗を絞って未来を切り拓いていくことこそ、人々に課せられた責務であるのです。あなたがたは、国家社会主義によって、ゆりかごから墓場まで面倒を見てもらうために、生まれてきたのではありません。

あなたがたは、(中略)「自分自身を照らし、他の人々を照らす」という目的のために生まれてきているのです。地獄への道は、善意で舗装されています。誰が聴いても耳触りのよい言葉は、残念ながら、天国へは通じていません。天国へ通じる道は、茨の道です。あなたがたは額に汗し、智慧を絞り、共に手を携えて一生懸命に努力しなければ、その茨の道を歩んでいくことはできないのです。

(PP.208-210)

企画、構成
編集者プロフィル

木藤文人(きどうふみと)
 ジャーナリスト、宗教家。
大学を卒業後、大手広告代理店に勤務。フリーとして独立後、「週刊東洋経済」「プレジデント」「経済界」「ザ・リバティ」等の執筆を経て、2007年、幸福の科学出版に入局。
天国に還るための終活』等、編著も多数。


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