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Winds of Happiness
2026.01.10

【人生いつからでも学び直し】第28回 『ソクラテスの幸福論』

人生の大学院 
~幸福の科学 大学シリーズ~ (#2)

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┃ 2┃Pの書斎より:求道心とは
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ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ プロフェッサーの金子一之さんのコラムをお届けします。

 「求道心」と聞いて私が思い浮かぶものは、三つあります。

 第一は、大川隆法総裁の自伝的小説「鏡川竜二シリーズ」に描かれている、主人公・鏡川竜二の小学生から大学生までの並々ならぬ努力の足跡です。この小説が多くの読者の感動を呼んでいる面には、竜二の一途に道を求める「求道者」の姿があると思います。小学校高学年で『シュバイッツアー伝』を読まれたときの大いなる使命にこの身を捧げようと決意された使命感。そして、中学生のときに読まれた『狭き門』(アンドレ・ジッド著)に天啓の如く感じた、信仰と愛に生きる「人類愛」への目覚め。その後、独学で天命に到るいばらの道を切り開かれていく姿は、人類にとって理想の鏡、「求道心の永遠の理想像」です。

 第二は、成道に到る釈尊の修行姿勢です。私には、鏡川竜二の凄まじい努力が、悟りを開かれる前の釈尊、ゴータマ・シッタールダの修行と重なって感じられるのです。釈尊は苦行を捨てて中道の悟りを得ましたが、その間の骨と皮ばかりになっても山野で修行に打ち込む妥協なき徹底さ、究極の悟りをつかむまで退かない不退転の修行態度など、まさに命を懸けた求道心に鬼気迫るものを感じます。

 第三は、後世の仏弟子としては最高峰の一人とも言われる空海の求道心です。空海が24歳の時に述べた「昔から、貧しくして灯油が買えないために蛍の光や窓の雪あかりで学んだという故事や、読書中の睡気を払うために首に縄をかけたり、股を錐でつっついたりしたという故事がありますが、それさえまだ不十分だと思うくらいの気持ちで熱心に勉強しました」(空海著『三教指帰』序文※)という言葉に、壮絶な勉強への姿勢が目に浮かんできます。

 武芸、スポーツ、芸術、学問等、その道に専心努力し、一芸を究めた求道者は数多くいますが、求道心の本質が仏法を求めて真剣に生きる点にあると考えれば、身を捨てて神仏の道を究める宗教家の情熱に、純粋で本物の求道心の理想を感じます。

※『空海「三教指帰」ビギナーズ 日本の思想』空海著、加藤純隆、加藤精一翻訳(角川ソフィア文庫)より

著者プロフィール

金子一之(かねこ かずゆき)
 1964年生まれ。武蔵野大学大学院修士課程修了。1990年より幸福の科学に奉職。現在、HSU人間幸福学部プロフェッサーとして、幸福の科学教学、宗教学を担当。著書に、『宗教対立を克服する方法』(幸福の科学出版)などがある。


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┃ 3┃この感動をあなたに~読書編:『点鬼簿』
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 地獄の者へ向けた仏の慈悲について描かれた『蜘蛛の糸』をはじめ、仙人の世界を描いた『杜子春』など、芥川文学には霊的な世界観が数多く描かれています。人生のなかに美や真理を見いだすことも、芸術家としての使命だと言えます。

 芥川龍之介は明治25年(1892年)に東京で生まれました。父親は搾乳販売(牛乳屋)をしていて、本名は新原(にいはら)と言いました。新原龍之介は、辰年の辰の月、辰の日の辰の刻に生まれたことから龍之介という名前がついたのだそうです。ただ、生みの親である母が、龍之介を生んで間もなく、心の病を発症し、母親の兄である芥川家に引き取られ、後にその養子となります。この短編小説には、狂人だった母の死と向き合ったことが書かれていますが、そんな辛い経験もあって、龍之介は宗教的に覚醒したのかも知れません。

 『点鬼簿』には、そうした霊的な体験が綴られています。龍之介には二人の姉がいましたが、長姉は龍之介が生まれる前に夭折しています。しかし、なぜがこの世におらず会ったことのない長姉に親近感を覚え、彼女への思いを小説のなかで吐露しています。※「僕は時々幻のように僕の母とも姉ともつかない四十恰好の女人が一人、どこかから僕の一生を見守っているように感じている。これは珈琲や煙草に疲れた僕の神経の仕業であろうか? それともまた何かの機会に実在の世界へも面かげを見せる超自然の力の仕業であろうか?」と。  

 芥川龍之介が紛れもなく、この世を超えた天上の世界の存在を認識していたという文章です。こうした霊的世界観が小説の背景にあるからこそ、人々に感動を与える作品を描き続けることができたのでしょう。

※『芥川龍之介全集〈6〉』(ちくま文庫)より

文責:木藤文人


『芥川龍之介全集』(ちくま文庫)はこちらへ
(『芥川龍之介全集〈6〉』書籍画像は、https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480020864/ より引用)


編集者プロフィール

木藤文人(きどうふみと)
 ジャーナリスト、宗教家。
大学を卒業後、大手広告代理店に勤務。フリーとして独立後、「週刊東洋経済」「プレジデント」「経済界」「ザ・リバティ」等の執筆を経て、2007年、幸福の科学出版に入局。『天国に還るための終活』等、編著も多数。


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