第135回 シリーズ『経営者マインドの秘密』に学ぶ経営術(4) #2
第4章は、「二宮尊徳流経営サバイバル術」です。この章の重要なポイントは、統制経済の復活や全体主義化の傾向のなかで、ゼロから富をつくっていくための大切さや、仕事の見直し、ダム経営などについて、二宮尊徳流の経営術が説かれているところです。第4章のキーワードから関連する経典を紹介します。
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【創意工夫】
私は、「どのような不況のときでも、着実に業績を伸ばしている会社や事業はある」と述べておきたいと思います。むしろ、「不況のときこそ、創意工夫が試される」と考えたほうがよいのかもしれません。好況のときは、誰が商売をやってももうかるのですから、こんなおもしろいことはありません。誰がやってももうかる商売であれば、誰もがその仕事を始めようとします。その結果、過当競争が始まり、淘汰が行われます。ほんとうに必要なものかどうか、ふるいにかけられて、倒産するところが出るのです。
問題は、そのときに、あなたがどちらに入っているかです。運命の女神から見て、不要な側、整理される側に入っているのか、あるいは、岩盤のごとく粘り、生き残る側に入っているのか、そのどちらかでしょう。いまの業界のなかで生き残っていくためには、創意工夫が必要になります。同業他社がやっていない工夫を何かすることです。他と違うユニークなところを出して目印をつくり、差別化することです。
創意工夫の余地がないかどうか、もう一度、冷静に考えてみていただきたいのです。
※以上『「幸福になれない」症候群』より抜粋
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【仕事の見直し】
仕事というものは、組織が大きくなってくると、いろいろとできてくるものです。昔つくった仕事がそのまま残り、さらに、新しい仕事ができてきます。そして、その調整のためのセクションがつくられます。そこがまた仕事をつくり始めます。こうして、仕事は基本的に増えていくのです。
利益が少なくなってくると、「コストダウンをしなくてはいけない」などと、いろいろ言うのですが、「仕事そのものが無駄である」という場合も多いのです。その仕事は、ある時期においては必要だったのでしょうが、現在では要らなくなっているわけです。
「やらなくてもよい仕事は、やめてしまう」ということが、いちばん大事です。「やめてしまうと、仕事がなくなり、職業の危機になる。クビになるかもしれない」ということで、それが怖くて、やめられないでいることが多いのです。しかし、やらなくてもよい仕事は、やはり、大胆にやめるべきです。そして、新しい仕事を探さなくてはいけません。もっと生産性の高い、付加価値の高い仕事をつくらなければ駄目なのです。
※以上『社長学入門』より抜粋
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編集・執筆:木藤 文人[ジャーナリスト]
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