政治とは、この世の現象として現れてくる具体的な活動ですが、そのもとにあるものは、やはり、何といっても、政治哲学、理念、あるいは基本的なものの考え方や価値観です。そういうものが投影されて、現実の政治的な活動になってくるわけであり、その意味で、政治思想、政治哲学というものは非常に大事です。このバックボーンのところが、どういうものであるかによって、現実に現れてくる活動や行動が大きく変化してくるのです。
※以上『政治の理想について』より抜粋

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● 変化しつつある歴史認識
● ガムを噛みながら拍手したオバマと十字を切ったプーチン
● 忌まわしいオバマの広島演説
● 今、読み返したい この二冊!
報道
海外メディアによれば、トランプ大統領がオランダで開催されているNATOの首脳会議の場で、日本への原爆投下を引き合いに、今回のイランへの攻撃の重要性に言及。いずれも戦争終結させるための一撃だったと述べた。「CNN 2025.6.26」
変化しつつある歴史認識
今回のイランへの攻撃について、トランプ大統領の正義は、やがて時間(歴史)が証明してくれるものとして、日本への原爆投下についてのみ述べてみたい。アメリカ国民の過半数は、今でも日本への原爆投下に賛成している。今から5年ほど前、アメリカでベストセラーとなった『COUNTDOWN 1945』の内容に象徴されるように、原爆投下を指示したトルーマン大統領の判断、つまり「戦争を早く終わらせ、結果的に多くの人命を救った。したがって原爆投下はやむを得なかった」という主張は、今回のトランプ氏の発言のように繰り返されている。ただ、最近になって言論や学問に変化の兆しもある。有力メディアや歴史家の一部で、「果たして日本に原爆を落とす必要があったのか」という疑問が提起されるようになってきたのだ。
ガムを噛みながら拍手したオバマと十字を切ったプーチン
2014年6月、ノルマンディー上陸作戦の記念式典がフランスのノルマンディーで開かれた。多くの戦勝国の首脳らが参加した式典のハイライトとして、パフォーマンスのときに広島の原爆投下映像が大スクリーンに映し出された。拍手をしながら見守る戦勝国の指導者と聴衆たち、そこにガムを噛みながら拍手をするオバマ元大統領の姿が映し出された。戦勝国と日本との立場の違いが明らかになった瞬間である。ちなみにその式典に参加したプーチン大統領は、胸で小さく十字を切っていた。
忌まわしいオバマの広島演説
2016年5月、オバマ元大統領が広島を訪問した際の演説もまた、聴くに堪えないものだった。一言の謝罪の言葉もなく、世界で核廃絶を目指そうというメッセージに終始した。その演説の冒頭である。「Seventy-one years ago, on a bright, cloudless morning, death fell from the sky and the world was changed.」。「死が空から降ってきて、世界が変わった」と。日本では、いまだに原爆を落とされたことに自責の念を持つ人が少なくない。しかし、原爆は、落としたほうが絶対的に悪だということを深く胸に刻むべきである。歴史は勝者によって語られるというが、日本政府、あるいは日本人は「正義」という観点から、広島、長崎に投下された原爆の悲惨さを世界へと訴えつづけねばならない。
文責:木藤文人(ジャーナリスト)
今、読み返したい この二冊!
1.『自由・民主・信仰の世界』
―日本と世界の未来ビジョン―
/大川隆法(著)
/1,650円(税込)
(2019年6月発刊)
〈本文より抜粋〉
日本を取り巻く諸外国のなかには、すでに原爆や水爆、核ミサイル等を持っている国がたくさんあります。おそらく、彼らのなかには、そういうもので国を護り、折あらば、他国を侵略しようと思っている者もいるでしょう。しかし、彼らは、自分たちが原爆を落とされたことのない身なので、(中略)その悲惨さが、まだ十分には分かっていないだろうと思うのです。ですから、生き証人としてまだ数多くの方がいるのですから、広島や長崎の人たちを中心に、「核ミサイル等による戦争が起きたら、どれほど悲惨なことになるか」ということを訴え、そういうバカなことが起きないよう、事前に抑止する運動をしなければいけません。
(PP.163-164)
2.『震災復興への道』
―日本復活の未来ビジョン―
/大川隆法(著)
/1,540円(税込)
(2011年4月発刊)
〈本文より抜粋〉
原爆を落とされたのは日本なのであって、日本から他国に対して原水爆をつくることを禁止するように申し入れたり、他国が「原水爆等を持たない」という憲法をつくったりすることについては、私も大賛成です。(中略)しかし、被爆国である日本に対して、ほかの国がそのようなことを言う権利はないと思うのです。「原爆を落とされていながら、『私たちは原爆を決してつくりません』などと言うのは、やや“マゾ的”な考え方の度が過ぎるのではないか。少しおかしいのではないか」という感じがしなくもありません。
むしろ、「原爆をつくる権利があるのは日本だけであって、ほかの国にはつくる権利はない。本来ならば、当然、アメリカにもつくる権利がないのだけれども、日米安保条約を結んでいるから持っていても構わない」ということなのです。「アメリカは、原爆を落とすという『人類の敵』のような行為をした以上、憲法で原水爆を禁止すべきだが、日米安保条約によって、『日本に対して再び悪いことはしない。アメリカは日本を守る』ということなので、保持してもよろしい」私は、そのように考えます。これは、当たり前のものの考え方であり、自分たちのほうへ非を持っていきすぎることには非常に問題があります。
(PP.33-34)
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