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インドのカースト制度の発祥は、今から3,500年前に溯ります。
当時、インドを征服したアーリア人が、先住民の肌の色の違いで差別したのが始まりだとされます。バラモンと呼ばれる支配階級(僧侶等)を頂点に、クシャトリア(王族、軍人等)、バイシャ(商人等)、シュードラ(農民等)に分かれ、その下に今回の映画で描かれるダリト(指定カースト)があります。
この映画は、このダリトの女性たちによって設立されたインドの新聞社「カバル・ラハリア」(2002年創刊)が、差別や偏見に苦しむ人々を、ペンの力で救っていくというドキュメンタリーです。
大手メディアが報じない政治家や警察の汚職、後を絶たない女性への暴力やレイプ事件、社会の貧困や抑圧などに真っ向から立ち向かう女性記者たち。
映画では、時代の波によってペンをスマートフォンに持ち替える彼女たちの戸惑う様子もリアルに伝えられています。身の危険にも怯むことなく真実に向き合う彼女たち。
ニュース動画の再生回数は数千から数万、やがて億を超えると、今まで無視を決め込んでいた警察や行政も対応を余儀なくされます。電気が通ったり、道路が修復されたり、また、犯罪者が捕まったり……。内外で注目される新しい媒体は、インドという国の内情に少なからず変化を与えつつあります。
欧米諸国におけるメディアの偏向報道を見るにつけても、本来、神の「正義」のもとにあらねばならない「言論」の在り方の原点を、改めて示してくれる作品です。
文責:木藤文人
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